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『もしもの時に家族を守る制度』遺族年金を正しく知って、大切な人の未来を守る備えを

こんにちは、ファイナンシャルプランナーの橋本です。

皆さんは、「遺族年金」について、どれくらいご存じですか?

「なんとなく聞いたことはあるけど、自分にはまだ関係ない話かも…」

「調べたことはあるけど、仕組みが複雑でよくわからなかった…」

そんな方も多いのではないでしょうか。

特に、30代から40代のお子さんを育てている女性にとって、万が一のときに家族を支える“お金の制度”を知っておくことはとても大切です。

今回は、遺族年金の仕組みやもらえる条件、受給額の目安などをわかりやすく解説するとともに、ライフプランの中でどのように備えておくべきかを一緒に考えていきましょう。

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<目次>

1.遺族年金ってどんな制度?

2.「遺族年金だけで暮らせるのか?」を考えてみましょう

3.子育て世代こそ「万が一の備え」を

4.保険と遺族年金を組み合わせて考える

5.将来の安心のために、今できること

6.最後に:あなたと家族の未来のために

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1.遺族年金ってどんな制度?

遺族年金とは、亡くなった方が生前に支払っていた年金保険料に基づいて、遺された家族に支給される年金のことです。

具体的には、以下の2種類があります。

〇遺族基礎年金

〇遺族厚生年金(厚生年金加入者が対象)

それぞれの特徴を簡単にご紹介します。

〇遺族基礎年金:対象は「子のある配偶者」または「子」

遺族基礎年金は、国民年金の被保険者(自営業・パート・専業主婦など)が亡くなった場合に、子どものいる配偶者または子に支給されます。

<受給できる条件>

・国民年金の被保険者が死亡したとき

・老齢基礎年金の受給権者、または受給資格を満たした方が死亡したとき

・子どもが18歳になった年度の3月31日まで(障害年金1級および2級の場合は20歳未満)

つまり、お子さんがいる家庭では、夫に万が一のことがあった場合、妻であるあなたが子どもを育てている限り、遺族基礎年金を受け取ることができるのです。

<金額の目安(令和7年度)>

年額:約83万円 + 子ども加算(第1・2子は各約24万、3人目以降は約8万円)

たとえば、子どもが2人いる場合は約131万円となります。

〇遺族厚生年金:厚生年金加入者が対象

夫が会社員や公務員で厚生年金に加入していた場合には、遺族厚生年金の対象になります。

これは、遺族基礎年金に“上乗せされる“形で支給されるもので、子どもがいなくても受給対象となるケースがあります。

<受給できる主な遺族>

・配偶者(妻)

・子ども(18歳未満)

・父母・孫など(条件あり)

<金額の目安>

夫の報酬や加入期間によって異なりますが、年収500万円、加入年数15年程度の方であれば、年間約40〜60万円前後が支給されることが多いです。

2.「遺族年金だけで暮らせるのか?」を考えてみましょう

ここで重要なのは、「遺族年金があるから安心」というわけではない、ということです。

たとえば、子どもが2人いて、夫が亡くなった場合を想定すると、

・遺族基礎年金:約131万円

・遺族厚生年金:約60万円

合計:約191万円/年(約16万円/月)

この金額で、家賃、教育費、生活費をすべてまかなうことは現実的でしょうか?

生活レベルを大きく落とさざるを得ない、というのが多くのご家庭の実感だと思います。

3.子育て世代こそ「万が一の備え」を

「でも、夫は健康だし、まだ若いし…」

そう思う気持ちもよくわかります。実際に起きる確率は低いかもしれません。

しかし、病気や事故は突然やってきます。そしてそのとき、「何も備えていなかった」というのは、残された家族にとって大きな負担となるのです。

実際、以下のようなお悩みをよく耳にします。

・「夫が亡くなって、教育費の目途が立たない」

・「住宅ローンはなくなったけど、生活費や教育費が不足して家を手放すことになった」

・「自分も働かなくちゃいけないけど、子どもが小さいから難しい」

万が一に備えるというのは、単に「お金の準備」というだけではなく、“家族の生活の安心や、子どもの未来を守るための準備”でもあるのです。

4.保険と遺族年金を組み合わせて考える

「もしもの時のために、どれくらい備えておけばいいの?」

それを考えるうえで、まず「遺族年金で足りない分はいくらか?」を知ることが大切です。

例えば、現状の生活費が月30万円で、遺族年金で受け取れるのが月15万円だとすると、不足分は月15万円。これが10年間続くとすると、

15万円 × 12ヶ月 × 10年 = 1,800万円

この不足分を補うために、生命保険などで保障を用意しておくのが効果的です。

子どもの教育資金や住宅ローンなど、それぞれのご家庭に必要な金額は異なります。だからこそ、「我が家の場合はいくら必要か?」をしっかりと試算しておくことが重要です。

5.将来の安心のために、今できること

「お金のことを考えるのは苦手」「難しそう」と感じる方も多いかもしれません。

ですが、知っておくことで得られる安心は大きなものです。特に、子育て中の今だからこそ、ライフプランを立てておくことが、家族にとってもあなた自身にとっても、かけがえのない備えになります。

具体的には、こんな行動から始めてみましょう。

* 家計の見直し(固定費、保険、教育費など)

* 万が一のときに必要なお金を試算してみる

* 保険の内容を確認してみる(保障内容や期間は十分か?)

* 必要に応じて、プロに相談する

6.最後に:あなたと家族の未来のために

遺族年金は、大切な人を失ったときに生活を支えてくれる重要な制度です。

でも、それだけでは不十分なケースが多いのも現実です。

「いざという時に慌てないために」

「後悔しないために」

「そして、大切な子どもたちに明るい未来を残すために――」

あなたとご家族の安心のために、正しい知識と備えを持ちましょう。

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