
こんばんは、ファイナンシャルプランナーの橋本です。
社長業と家庭を切り盛りする毎日は、秒単位で慌ただしいですよね。だからこそ相続や事業承継の話は「そのうち」と棚上げしがち。でも、予期せぬ病気や事故は待ってくれません。いざというとき、ご家族が困らないようにする――その最初のステップが 『財産目録』 です。専門用語は後回し。まずは「うちに何があるか」を見える化するだけで、相続対策の半分は終わったようなものなのです。
今回は、『財産目録』について解説しましたので、ぜひ最後まで読んでみてください。
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<目次>
1.財産目録とは?
2.3つのうれしい効果
3.はじめ方4ステップ
4.よくある質問
5.次の一歩はプロに相談
6.まとめ
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1.財産目録とは?
簡単に言えば「資産と負債の棚卸し表」。
主な項目 | 例 | メモのコツ |
現預金・証券 | 個人/法人の口座、株式、投資信託 | 支店名・口座番号もあると便利 |
不動産 | 自宅、賃貸物件、社屋 | 固定資産税評価額でもOK |
自社株 | 発行株数、保有割合 | 直近期の純資産額を添える |
保険 | 死亡保険金、解約返戻金 | 契約者・受取人も忘れず |
負債 | 借入金、リース、保証債務 | 返済スケジュールと担保の有無 |
その他 | 暗号資産、会員権など | 時価がわからなければ概算で |
数字はザックリで構いません。評価額より 「漏れゼロ」 が優先です。
2.3つのうれしい効果
①相続税が「ざっくり」見える
合計額がわかれば、必要な対策がクリアに。保険や贈与のプランも立てやすくなります。
②家族の会話が増える
通帳や書類を確認する過程そのものが情報共有とリスク管理。お子さまとの将来設計のきっかけにも。
③もしものときの手続きが最短に
財産目録があるだけで、口座凍結や名義変更にかかる日数・費用がグッと減ります。
3.はじめ方4ステップ
<STEP1> フォーマットを決める
ノートでも Excel でもスマホのメモでもOK。列は「項目/概算額/根拠/保管場所」。
<STEP2> 書類をテーブルに並べる
通帳・権利証・保険証券など“現物”を集めることで抜けを防ぎます。
<STEP3> 金額と根拠をメモ
不動産は固定資産税評価額、保険は解約返戻金で大丈夫。
<STEP4> 更新日を明記
目安は 年1回。決算や確定申告が終わるたびに見直しましょう。
4.よくある質問
Q. 負債が多くても作る意味は?
A. 意味大あり。正味の財産がわかれば、返済計画や保険を活用したリスクヘッジも立てやすくなります。
Q. 子どもに見せるタイミングは?
A. 高校生で概要、成人後に詳細と段階的に。情報共有そのものが金融教育になります。
5.次の一歩はプロに相談
「本当に漏れはない?」「もっと節税できる?」と感じたら、専門家に相談しましょう。専門家の視点で重複や抜けをチェックし、最適な保険・贈与・法人スキームまで一緒に設計し、アドバイスしてくれます。大切な資産と想いを、確実に次世代へつなぐために――今こそ行動を。
6.まとめ
財産目録は、今日5分で口座残高を書き留めるだけでも前進。『準備は愛情のかたち』です。忙しい今だからこそ、小さな行動で未来の安心を手に入れましょう。