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がん治療はここまで進んでいる!家族を守るための“お金の準備”

こんにちは、ファイナンシャルプランナーの橋本です。

「もし、がんになってしまったら——」

そんなこと、考えたくないですよね。

でも、いま日本人の2人に1人が一生のうちにがんを経験すると言われています。

決して他人事ではなく、誰にでも起こりうること。特に子育て世代の女性にとって、「自分が病気になったら家族はどうなるの?」という不安は、とても現実的です。

今回は、近年注目されているがん治療の最新の選択肢をわかりやすく紹介しながら、治療とお金の関係、そして「今からできる備え」についてお話しします。

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<目次>

1.がん治療は日々進化している

2.最先端治療を受けるには「お金」と「情報」が必要

3.がん治療にかかるお金のリアル

4.「治療費+生活費+未来の教育費」も考える必要がある

5.「高額療養費制度」があるから安心ではない

6.情報の備えも同じくらい大切

7.まとめ:がん治療は「お金」と「情報」で選択肢を広げる

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1.がん治療は日々進化している

かつて「がん=死」というイメージが強かった時代もありましたが、医療の進歩によってその常識は変わりつつあります。

手術・抗がん剤・放射線治療の「三大治療」に加えて、新しい治療法が次々と登場しています。ここでは、その中でも特に注目されている3つを紹介します。

① ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)

ちょっと難しい名前ですが、これはがん細胞だけをピンポイントで狙う放射線治療の一種です。

仕組みを簡単に説明すると、まず「ホウ素」という物質を体に取り込み、その後に中性子という特殊な線を当てます。すると、ホウ素が中性子をキャッチして「がん細胞の中だけ」で強い放射線を発生させるのです。

つまり、がん細胞だけを攻撃して、正常な細胞はほとんど傷つけないという理想的な治療です。

副作用が少なく、これまで治療が難しかった脳腫瘍や頭頸部がんにも効果が期待されています。

ただし、まだ治療を受けられる医療機関は限られており、先進医療として保険適用外の場合も多いのが現状です。

② 光免疫療法

2020年に日本で初めて承認された新しいがん治療法で、「光でがんを治す」として大きな注目を集めました。

がん細胞にだけくっつく薬を投与し、その後に特殊な赤い光を当てると、その部分のがん細胞が壊れていくという仕組みです。

手術のように体を切る必要がなく、抗がん剤のような強い副作用も少ないとされています。

現在は主に「頭頸部がん」が対象ですが、今後は肺がんや乳がんなどにも広がる可能性があります。

この治療もまだ一部の病院でしか受けられませんが、がん治療の未来を変える可能性を秘めた“次世代の治療法”と言われています。

③ ウイルス療法

こちらは少しユニークなアプローチで、ウイルスの力を利用してがんを攻撃するという治療法です。

「え?ウイルスを体に入れるの?」と思うかもしれませんが、使うのは「がん細胞だけを狙って壊すように設計された特別なウイルス」です。

このウイルスががん細胞の中で増えると、がんを破壊すると同時に、体の免疫が「がんを敵だ」と認識しやすくなります。

つまり、がんを壊しながら免疫も強くするという二重の効果が期待できるのです。

日本でも「テロメライシン」という治療薬が臨床研究として進められており、将来的にはより多くの患者さんに使えるようになるでしょう。

2.最先端治療を受けるには「お金」と「情報」が必要

ここまでお伝えしたように、がん治療は確実に進歩しています。

しかし、その一方で——

最新の治療法は、すべての人がすぐに受けられるわけではありません。

その理由のひとつが「費用」です。

たとえば、先進医療や自由診療として行われる治療は、公的医療保険が適用されないことが多く、数百万円単位の費用がかかることもあります。

さらに、治療のために長期休職せざるを得ないケースでは、「治療費」だけでなく「収入の減少(=遺失利益)」という現実的な問題も生じます。

3.がん治療にかかるお金のリアル

がん治療費の目安を見てみましょう。

一般的な手術+抗がん剤治療:約100万〜200万円

先進医療(BNCTなど):約300万〜700万円

自由診療の免疫療法など:数百万円〜1,000万円を超えることも

これに加えて、治療中の交通費・宿泊費・食事制限・家族の付き添いなど、「見えない出費」も積み重なります。

さらに、治療や通院のために仕事をセーブすれば、収入が減る。

子育て世代にとっては、これが家計に大きな影響を与えるのです。

4.「治療費+生活費+未来の教育費」も考える必要がある

がん治療において大切なのは、「治療費の準備」だけではありません。

働けなくなったときに生活を維持できるか、子どもの教育費を守れるか——これらも含めて考える必要があります。

たとえば、以下のようなリスクを想定しておくと安心です。

・治療費が高額になっても選択肢を狭めない準備

・治療期間中の収入減少への備え

・家族の生活費や教育費を確保するプラン

・万一の際に家族が経済的に困らない仕組みづくり

5.「高額療養費制度」があるから安心ではない

もちろん、健康保険制度は心強い味方です。

ただ、それだけで全てをカバーできるわけではありません。

医療技術が進歩すればするほど、「新しい治療=保険適用外」というケースも増えていきます。

だからこそ、貯蓄や資産形成を組み合わせて備えることが大切です。

たとえば、

・いざという時に使える「流動資金」を持つ

・長期的に増やす「投資」も視野に入れる

・必要な保障内容を定期的に見直す

こうした“お金の土台”があることで、治療法の選択肢を広げることができます。

6.情報の備えも同じくらい大切

がん治療の世界は日進月歩です。

数年前にはなかった治療法が、今では現実の選択肢になっていることも少なくありません。

そのため、「知っているかどうか」で人生が変わることもあります。

信頼できる医療情報を日頃からチェックし、

「いざという時にどんな治療があるのか」

「どの病院で受けられるのか」

「費用はどれくらいか」

を知っておくことが、自分と家族を守る第一歩です。

7.まとめ:がん治療は「お金」と「情報」で選択肢を広げる

がん治療の進歩は、希望そのものです。

しかし、希望を現実にするには「お金」と「情報」が欠かせません。

治療法を選ぶのは、医師ではなくあなた自身。

そのためにも、日頃からできること——

・家計を整える

・保険や資産を見直す

・正しい医療情報を得る

この3つを意識しておくことが、未来の安心につながります。

がんになってから慌てるのではなく、「知って」「備えて」おくこと。

それこそが、あなたと大切な家族を守る最大の武器になるのです。

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