
こんにちは、ファイナンシャルプランナーの橋本です。
よく「生命保険には入っているから安心」とおっしゃる方は多いのですが、実際に必要な金額をしっかり計算したことはあるでしょうか。保険金額が思ったより小さかったり、逆に支払い保険料が過大で家計や経営を圧迫していたりするケースは珍しくありません。必要保障額を算出することで「ちょうどいい保険のカタチ」を明確にしてみましょう。
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<目次>
1.「必要保障額」とは?
2.経営者なら押さえておきたいポイント
3.30代〜50代のご家庭で考えたい「必要保障額」
4.必要保障額を試算する流れ
5.過不足がないか、今こそ確認してみませんか?
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1.「必要保障額」とは?
「必要保障額」とは、もし自分に万が一のこと(死亡や高度障害など)があったとき、残されたご家族や会社が生活や経営に困らないように確保しておきたいお金のことを指します。たとえば、ご家庭であれば家族が今後生活していくうえで必要になる資金、経営者の方であれば会社の運転資金や借入金の返済なども含まれます。
2.経営者なら押さえておきたいポイント
①会社の継続をどう守るか
経営者の方に万が一のことが起これば、家族だけでなく会社の従業員や取引先にも大きな影響があります。事業の継続には、社員の給与や仕入代金など、当面の固定費を賄う資金が必要です。もし事業承継を予定しているなら、後継者がスムーズに経営を引き継ぐための資金確保や、株式の相続対策も視野に入れたほうが良いでしょう。
②借入金やローンの返済
事業を進めるうえで融資を利用している方は多いと思いますが、経営者個人が保証人となっている場合、万が一のときに残されたご家族や後継者が返済の負担を負う可能性があります。必要保障額を考える際には、借入金の残額や返済スケジュールをチェックして、もしものときにどうカバーするのかを整理しておきましょう。
③保険商品や法人契約を活用する
個人の生命保険だけでなく、法人として契約できる保険もあります。たとえば「事業保障保険」は、経営者に万が一のことがあった際、事業継続に必要な資金を受け取れる保険です。保障内容や保険料の負担が会社と個人、どちらにとっても合理的になるよう、専門家と相談しながら選ぶのがポイントです。
3.30代〜50代のご家庭で考えたい「必要保障額」
①生活費と教育費
お子さんがいるご家庭では、毎月の生活費だけでなく学費の負担が大きなテーマですよね。公立か私立か、大学に進学するのか、留学を検討しているのかなど、今後のライフプランによって必要となる金額は変わります。こうした将来の出費を「いつ」「どれくらい」準備するのかをシミュレーションしてみると、具体的な保障額のイメージが掴みやすいでしょう。
②住宅ローンや家賃
住宅を購入されている場合、残された家族がそのまま住み続けられるかどうかも大切な視点です。団体信用生命保険などでローンが完済される仕組みになっていれば安心ですが、そうでない場合は、残債をどう処理するか考えておかないといけません。仮に、住宅ローンの支払いがなくなっても生活費や教育費などをどう確保するかは考えておく必要があります。賃貸の場合は家賃を払い続ける必要があるため、あらかじめ家計に見合った保障計画を立てておきましょう。
③親の介護や自分自身の医療費
40代〜50代になると、ご自身の健康リスクだけでなく、親御さんの介護に関わる可能性が高まります。介護費用や医療費は想像以上に大きくなることもありますので、特にご家族と同居している方やこれから同居予定の方は要注意です。いざというとき慌てないよう、必要保障額の中にある程度の介護・医療費を織り込んでおくと安心です。
4.必要保障額を試算する流れ
①現状と将来のイベントをリストアップ
・家族構成(配偶者やお子さん、親の状況など)
・事業の今後の見通し(融資の有無や事業拡大計画など)
・ライフイベント(子どもの進学、住宅購入、老後時期 など)
②公的保障や自己資産の把握
・遺族年金や健康保険、会社の福利厚生
・既に加入している保険の内容(生命保険、医療保険、法人保険など)
・預貯金や投資資産、不動産収入 など
③不足分を保険や他の手段で補う
公的保障と自己資産だけでは足りない部分を、必要に応じて生命保険や法人保険でカバーするイメージです。経営者の方であれば、会社のキャッシュフローと個人の家計を両方考慮しながら検討しましょう。
④定期的な見直し
一度設定した保険金額が、数年後も変わらず適切とは限りません。事業環境の変化や、家族構成の変化、住宅ローンの完済状況など、ライフステージが変わったタイミングで改めて必要保障額を試算し直すことをおすすめします。
5.過不足がないか、今こそ確認してみませんか?
保険は「加入さえすれば安心」というものではありません。大切なのは「自分や家族に本当に必要な保障額を、無理のない保険料で確保する」ことです。経営者の方なら会社の将来を、30代〜50代のご家庭なら子育てや老後準備を見据えながら、まずはざっくりとでも必要保障額をイメージしてみましょう。
もし「いまいち計算の仕方が分からない」「自分のプランが本当に合っているのか不安」という場合は、ファイナンシャルプランナーなど専門家に相談するのも一つの手です。ライフプランや事業計画に合わせて、最適な保険商品や備えの仕組みを一緒に考えてもらえます。
人生は想定外の出来事が起こるもの。だからこそ、事前の備えがあれば「もしものとき」に慌てずに済むかもしれません。必要保障額の過不足をしっかりと確認し、将来への不安を少しでも減らす――それはきっと、ご自身だけでなく、ご家族や社員の方々にも大きな安心をもたらしてくれるはずです。ぜひこの機会に、今の保険や保障が自分のライフステージや経営状況に合っているか、見直してみてください。