
こんにちは、ファイナンシャルプランナーの橋本です。
株式や投資信託などの金融商品は、価格が数字で動く「ペーパーアセット」と呼ばれます。
一方で、不動産は土地や建物という“形のある資産”です。
最近よく耳にする「インフレ」や「相続対策」という言葉。
その文脈の中で、不動産は改めて注目されています。
とはいえ、不動産は万能な資産ではありません。
今回は投資初心者の方に向けて、実物資産としての強みやインフレヘッジ効果、収益物件のメリット・デメリット、相続時の評価圧縮効果について中立的に解説していきます。
ペーパーアセットと実物資産の違い
株や債券などは「価値の記録」に基づく資産です。企業業績や金利動向によって価格が大きく変動します。
一方、不動産は「土地」や「建物」という現物そのものに価値があります。
もちろん価格は変動しますが、ゼロになる可能性は極めて低いという特徴があります。これが「実物資産」と呼ばれる理由です。
インフレヘッジとしての不動産
インフレとは、物価が上昇することです。物価が上がると、現金の実質的な価値は目減りします。
例えば、100万円で買えたものが将来120万円になれば、現金の価値は下がったことになります。
不動産の場合、建築費の上昇に伴い新築価格が上がることがあります。また、物価上昇に合わせて家賃が上がる可能性もあります。
- 建築費上昇により物件価格が上がる可能性
- 家賃が物価に連動しやすい
- 土地には希少性がある
こうした理由から、不動産は「インフレヘッジ」になり得るといわれています。
ただし、立地条件や人口動態によっては価格が下がることもあります。必ずインフレに強いわけではないという点も理解しておきましょう。
自宅という資産の考え方
自宅は「消費」なのか「資産」なのか。この議論はよくあります。
持ち家の場合、次のような側面があります。
- 老後の住居費が安定する
- 売却や賃貸という選択肢がある
- 住宅ローン完済後は住居コストが軽減する
一方で、修繕費は自己負担であり、転居の自由度が低いというデメリットもあります。
自宅は収益を生まない資産ですが、生活基盤を安定させるという意味で大きな価値を持ちます。
収益物件のメリット・デメリット
メリット
- 家賃収入という定期収入が得られる
- ローンを活用できる(レバレッジ効果)
- 相続対策として活用できる
デメリット
- 空室リスクがある
- 修繕・管理コストがかかる
- 流動性が低く、すぐ売却できない場合がある
- 災害リスクがある
特に初心者の方は、空室が続いた場合の資金計画を想定しておくことが重要です。家賃が入らない期間でもローン返済は続きます。
不動産は基本的に長期保有を前提とする資産であることを理解しておきましょう。
相続時の評価圧縮効果
不動産の大きな特徴のひとつが、相続税評価額の仕組みです。
現金はそのままの金額で評価されます。1億円の現金は1億円の評価です。
しかし不動産は、土地は路線価評価、建物は固定資産税評価で算出されるため、実勢価格より低く評価されることが多いとされています。
さらに、一定の条件を満たすと「小規模宅地等の特例」が適用される場合があります。
この制度を活用すると、土地の評価額が最大80%減額されるケースがあります。
例えば1億円相当の土地でも、評価額が大きく圧縮される可能性があります。ただし、同居要件や事業継続要件、面積制限など細かな条件があります。制度の活用には事前の設計が重要です。
まとめ
不動産は、実物資産としての安定感やインフレヘッジ効果、相続評価の圧縮といった強みがあります。
一方で、流動性の低さや空室リスク、エリア依存といった弱点もあります。
重要なのは、「儲かるかどうか」だけで判断しないことです。資産全体のバランスの中で、不動産をどのように位置づけるかを考えることが大切です。
守りの資産として持つのか、収益源として持つのか。目的によって答えは変わります。
投資初心者の方は、まずは仕組みを理解し、小さな学びから始めてみてください。