
こんにちは、ファイナンシャルプランナーの橋本です。
子育てや家計を支える日々の中で、「もし自分ががんになったら…」と考える機会はあまり多くないかもしれません。けれども、がん治療は長期化しやすく、仕事や家庭の負担も大きくなります。実際、治療にかかるお金は保険診療だけではカバーしきれないケースも多く、自由診療や先進医療を選ぶと費用は一気に膨らみます。
この記事では、「がんファイナンス」という考え方をもとに、がんに備えるお金の準備法をわかりやすく解説します。特に子どものいる家庭の女性にとって、家族の生活を守るための“お金の備え方”を考えるきっかけになる内容です。
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<目次>
1.がん治療にかかるお金の「見えない部分」
2.「がんファイナンス」とは?―備えるべきは“自由度”
3.がん保険を見直すときの3つのポイント
4.まとめ
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1.がん治療にかかるお金の「見えない部分」
がん治療費は、手術や入院などの医療費だけではありません。実際にかかるお金には以下のようなものがあります。
・交通費や宿泊費(通院・転院など)
・自費での治療や薬代(自由診療・先進医療)
・仕事を休むことで減る収入
・家事・育児サポートを外注する費用
公的保険の「高額療養費制度」で自己負担が抑えられるといっても、これらの費用までは対象外です。
つまり、がんにかかったときに本当に必要なのは、医療費以外にも柔軟に使える“自在なお金”。この視点が「がんファイナンス」の第一歩です。
2.「がんファイナンス」とは?―備えるべきは“自由度”
「がんファイナンス」とは、がんになったときの生活全体を支えるための資金設計を意味します。
単に“医療費をまかなう”のではなく、治療と生活の両立を支える仕組みを持つことが重要です。
具体的には、
・まとまった一時金が受け取れるがん保険
・使い道を限定されない医療保障型の貯蓄
・休職・退職を想定した生活費の備え
これらを組み合わせておくことで、「治療を優先したいけれど、家計が心配」という不安を減らせます。
特に女性は、治療によって家事・育児・仕事のバランスが崩れやすい傾向があります。そのため、自由に使える一時金は「生活を回すための資金」としても大きな支えになります。
3.がん保険を見直すときの3つのポイント
今、加入しているがん保険をそのままにしていませんか?医療技術の進化や働き方の変化に合わせて、保障内容も見直す必要があります。
一時金の金額と回数を確認
→ 初回だけでなく、再発・転移にも対応できるプランが安心です。
治療の自由度を確保
→ 通院・在宅治療・自由診療にも使える保障があるかをチェック。
生活支援までカバーしているか
→ 収入減少時に備えた就業不能保障や生活費補助があると心強いです。
見直しのポイントは、「治療を制限しないこと」と「家族の生活を守ること」。
“どう使えるか”に注目するのが、これからのがんファイナンスの考え方です。
4.まとめ
がんになったとき、治療費だけでなく生活費や家族の支えまで含めた“お金の準備”が欠かせません。
「がんファイナンス」は、がんを経済的リスクとして捉え、治療と生活の両立を助ける新しい視点です。
今の保険や貯蓄が「自在に使えるお金」になっているか、一度見直してみましょう。
まずは専門家に相談し、自分や家族に合った備えを整えることが、将来の安心につながります。