
こんにちは、ファイナンシャルプランナーの橋本です。
もし大切な家族が病気になったとき、あなたはどんな治療を選びたいですか?
「少しでも負担が少ない治療を」「子どもに合った方法を」「家族にとって安心できる選択を」――そう思う方がほとんどではないでしょうか。
ただし、いざ病気になったときに、すべての治療が健康保険でまかなえるとは限りません。健康保険が適用されない「自由診療」という選択肢があるからです。
自由診療は、医療の可能性を広げてくれる一方で、費用の面では大きな負担となることもあります。今回は、30代・40代のお子さんを持つ家庭の女性に向けて、自由診療とは何か、どんな病気で利用されることが多いのか、そしてそのときにお金の心配をしないための準備について、わかりやすく解説していきます。
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<目次>
1.自由診療とは?
2.自由診療が想定される病気と治療の例
3.自由診療の費用感
4.「もしもの時」に備える方法
5.お金の心配なく治療を選ぶために
6.まとめ
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1.自由診療とは?
普段私たちが病院でかかる診療は「保険診療」と呼ばれます。診察代や治療費の大部分が健康保険でカバーされ、患者は3割程度を負担します。
一方で「自由診療」とは、健康保険が使えない治療のこと。費用は全額自己負担になります。
「えっ、全部自己負担?高額になりそう…」と思うかもしれません。実際にその通りで、自由診療を選ぶと数十万円から数百万円かかるケースも少なくありません。
ただし、自由診療にはメリットもあります。例えば最新の医療技術を受けられる、海外で開発された治療薬を試せる、生活の質を大切にした治療が選べる、といった点です。
2.自由診療が想定される病気と治療の例
- がん治療
がんの標準治療は健康保険の対象ですが、それ以外の「最新の免疫療法」「先進的な放射線治療」「海外未承認薬の使用」などは自由診療になることがあります。
たとえば、がんの免疫療法(自分の免疫細胞を活性化してがんを攻撃させる治療)は数百万円単位の費用が必要になる場合もあります。
- 不妊治療
保険適用が拡大したとはいえ、すべてが対象ではありません。たとえば年齢による制限を超えてしまった場合や、特別な検査や薬を使うと自由診療になります。
「もう少し試したいのに、費用が…」と悩む夫婦は少なくありません。
- 歯科治療
歯の治療は、実は自由診療が多い分野です。セラミックの詰め物、インプラント、矯正治療などは保険が効かず、1本あたり数十万円の費用になることもあります。
子どもの歯列矯正を考えている家庭にとっては、現実的な大きな出費となるでしょう。
- 美容医療・再生医療
美容目的だけでなく、事故や病気の治療に関わるケースでも自由診療が登場します。たとえば、傷跡を目立たなくする再生医療や、毛髪再生の治療などです。
3.自由診療の費用感
実際にどれくらいの費用がかかるのか、目安を知っておきましょう。
がんの自由診療:数十万円~数百万円
不妊治療の自由診療:1回あたり数十万円(繰り返すと合計で100万円超も)
歯科インプラント:1本30万円前後
子どもの矯正:100万円前後
家庭にとっては大きな出費ですよね。しかも、病気や治療は突然やってきます。準備をしていなければ「受けたいけど諦める」という選択をせざるを得ないこともあるのです。
4.「もしもの時」に備える方法
自由診療は「保険外だから仕方ない」で終わらせる必要はありません。いくつかの備えを組み合わせることで、選択肢を広げられます。
- 貯蓄をコツコツ積み立てる
自由診療は「まとまったお金」が必要になります。日々の生活費とは別に、医療費や教育費といった目的別の積立をしておくと安心です。
ただし貯蓄だけでは金額が足りなくなることもあるので、他の手段と併用するのが現実的です。
- 医療保険・がん保険で備える
自由診療そのものを補償する保険は限られますが、中には自由診療や先進医療までカバーする商品もあります。
「がん診断一時金」などまとまったお金が受け取れるタイプを利用すれば、その資金を自由診療に充てることができます。
- 教育資金や老後資金と並行して考える
「自由診療のためにだけ」準備するのは難しいものです。
教育資金や老後資金の準備と同じように、家計全体のバランスの中で「もしもの医療費」もプランに組み込むことが大切です。
5.お金の心配なく治療を選ぶために
自由診療は特別なものに思えるかもしれませんが、誰にでも関わる可能性があります。
そしてそのときに一番大切なのは「お金があるかどうか」ではなく、「治療を選べるかどうか」です。
「お金が足りないから、子どもの治療を諦める」
「費用が高いから、望む治療を受けられない」
そんな状況は、できれば避けたいですよね。
だからこそ、今のうちから少しずつ備えておくことが大切です。生活の中でできる範囲で貯蓄を増やしたり、医療保険を見直したりすることは、未来の安心につながります。
6.まとめ
自由診療は健康保険が効かない治療で、費用は全額自己負担になる
がん、不妊治療、歯科治療、美容医療などで利用されることが多い
数十万~数百万円の費用がかかるケースもある
準備としては「貯蓄」「保険」「家計全体の見直し」がポイント
家族の健康は、お金に代えられない大切なものです。
だからこそ「もしも」のときにお金の心配をせず、納得できる治療を選ぶために、今から少しずつ準備してみませんか?