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貯めても安心できない…戦略なき貯蓄が抱える落とし穴

こんにちは、ファイナンシャルプランナーの橋本です。

「ちゃんと貯金しているはずなのに、なぜか不安が消えない」

そう感じたことはありませんか?

子どもの教育費や住宅ローン、老後のお金のこと…。考えるだけで気持ちが重くなる一方で、とにかく「貯めなきゃ!」と銀行口座にお金を積み上げている。けれども、残高が増えても安心感が思ったほど得られない。そんな声を私はよく耳にします。

実は、その不安の正体は「貯金が足りないから」ではなく、「お金のゴールが見えていないから」なのです。

この記事では、なぜ戦略のない貯蓄が不安を増やしてしまうのか、そして安心につながるお金の向き合い方についてお伝えします。

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<目次>

1.頑張って貯めているのに安心できないのはなぜ?

2.子育て世代に押し寄せる“三大資金”

3.戦略なき貯蓄が不安を生む理由

4.安心につながるお金の考え方

5.不安の正体は「残高不足」ではない

6.まとめ

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1. 頑張って貯めているのに安心できないのはなぜ?

毎月コツコツ貯金をしているのに、安心感が得られない理由はシンプルです。

◇「いくら必要か」がわからないから

例えば旅行の準備なら、行き先と日程が決まれば必要なお金も見えてきます。ところが「老後資金」や「教育資金」といった将来のお金は、行き先も日程もぼんやりしている状態。これではどれだけ貯めればよいのか見当がつかず、不安が大きくなるのです。

◇預金残高=安心ではない

銀行口座に100万円、200万円と増えていくと達成感はあります。でも同時に「これで足りるのかな…?」という疑問が頭をよぎります。お金は数字で増えるのに、気持ちは安心に結びつかない。これは多くの方が感じる“貯金の落とし穴”です。

2. 子育て世代に押し寄せる“三大資金”

30代〜40代のご家庭では、特に次の3つのお金が大きなテーマになります。

住宅資金:頭金、住宅ローン、修繕費

教育資金:幼稚園から大学までの学費、習い事

老後資金:夫婦2人で過ごす生活費や医療費

これらは「三大資金」と呼ばれるほど、家計にとって大きな山場です。

しかも、それぞれが時期をずらして訪れるのではなく、同時並行で重なってくることもあります。

例えば「子どもの進学費用」と「住宅ローンの返済」が同じタイミングでやってくると、家計は一気にプレッシャーを感じます。だからこそ、「ただ貯める」だけではなく、「いつ・どれくらい必要なのか」を整理することが不可欠なのです。

3. 戦略なき貯蓄が不安を生む理由

では、なぜ“戦略のない貯金”は不安につながるのでしょうか?

(1) ゴールが不明確だから

登山で例えるなら、地図も目的地もないまま山に入っている状態です。歩いてはいるけれど、どこに向かっているのか分からない。だから疲れるし不安になる。お金も同じで、「何のために、いくら必要なのか」が見えないと、積み上げても安心には変わらないのです。

(2) 時間の使い方がもったいない

教育資金は「大学入学まであと15年」など期限が決まっています。この“時間”を味方につけられるかどうかで、家計の負担は大きく変わります。戦略がなければ、せっかくの時間を活かせず、後になって「もっと早く準備しておけばよかった」と後悔することも。

(3) 不測の事態に対応できない

病気や失業、急な出費…。想定外の出来事は必ず起こります。ただ「預金を積み上げるだけ」では、備えが十分かどうか判断できません。結果として「まだ足りないのでは」と不安が増してしまうのです。

4. 安心につながるお金の考え方

では、不安を和らげるために大切なことは何でしょうか。

◇「目的別」にお金を分ける

教育資金、老後資金、生活防衛資金…。用途ごとに色分けして考えると、全体像が見えてきます。「これは教育のため」「これは万一のため」と整理するだけで安心感は大きく変わります。

◇「時間」を活かす

必要になる時期が分かれば、そこまでにどう準備するか逆算できます。15年後に300万円必要なら、毎月いくら積み立てればいいか計算できる。時間がある分、無理なく準備できるのです。

◇「家計の全体像」を見直す

収入と支出のバランスを整理することも欠かせません。「保険料が思ったより重い」「固定費を少し見直すだけで年間数十万円変わる」など、改善できるポイントは意外とたくさんあります。

5. 不安の正体は「残高不足」ではない

ここまでお伝えしてきた通り、不安の正体は“預貯金の量”ではありません。

本当の原因は「ゴールが見えていないこと」です。

もし登山で地図と目的地があれば、道のりが長くても安心して歩みを進められますよね。お金も同じで、「どこに向かって、どのくらいの準備が必要なのか」が分かれば、残高が少なくても「このペースで大丈夫」と自信を持てるのです。

6.まとめ

戦略のない貯金は「足りないかも」という不安を増やす

教育資金・住宅資金・老後資金という“三大資金”を意識することが大切

「目的」「時間」「家計全体」の3つを整理するだけで安心感は大きく変わる

不安の正体は“残高不足”ではなく“ゴールが見えていないこと”

貯金はもちろん大切ですが、「ただ積み上げる」だけでは安心にはつながりません。ゴールを描いて、そのための道筋を考える。これが、本当に心を軽くするお金との向き合い方です。

あなたとご家族が安心して未来を歩めるように、ぜひ一度「我が家のお金のゴール」を考えてみてください。

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