
こんばんは、ファイナンシャルプランナーの橋本です。
スーパーのレジで合計金額を聞いた瞬間に、思わず「えっ、高くない?」と驚いた経験はありませんか。
2000年頃、生鮭の切り身(100g)が150円台、バター(200g)が300円前後で手に入りました。ところが最新の小売物価統計では、銀鮭切り身は288円/100g、バターは519円/200gへ。鮭はコロナ前比+132%、バターも+120%と“冷蔵庫の常連”が家計を直撃しています。
私たちの財布から静かにお金がすり減る——それがインフレ(物価上昇)の正体です。
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<目次>
1.データで読む20年の物価
2.光熱費の急騰が直撃
3.伸び悩む給与とのギャップ
4.教育費インフレが迫る(幼稚園〜大学卒業までを想定)
5.30~40代・子育て世帯の資産防衛術
6.まとめ――お金を“眠らせない“決断”
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1.データで読む20年の物価
総合消費者物価指数(CPI)は2020年=100の基準で、2000年97.3→2025年3月111.1へ約14%上昇。直近1年でも+3.6%と加速基調です。
2.光熱費の急騰が直撃
数字の上では1割でも、体感としてはそれ以上。背景にあるのが輸入エネルギー高と円安です。政府補助が縮小する2025年4月使用分からは、多くの家庭で電気料金が月400円以上の追加負担になる見通し。電気・ガス・ガソリンといった“逃げ場のない支出”は、子育て家庭の家計を直撃します。
3.伸び悩む給与とのギャップ
厚労省「毎月勤労統計」速報によれば、2024年の実質賃金指数は前年比▲0.2%で3年連続マイナス。名目賃金は伸びても、物価に追いつかない――これが“実質”の現実です。
4.教育費インフレが迫る(幼稚園〜大学卒業までを想定)
文科省の「子供の学習費調査」や私立大学の学生納付金データを合算すると、幼稚園から大学卒業までにかかる学習費(授業料+学校外活動費など)は、全ルート国公立で約1,000万円、すべて私立を選ぶと約2,500万円に達します。5年前の試算(国公立コース約880万円、私立コース約2,200万円)と比べて、私立は+300万円、公立でも+120万円のアップ――インフレは「教育の出口」にまで静かに浸透しています。
5.30~40代・子育て世帯の資産防衛術
ステップ | 行動 | ポイント |
①現状把握 | 家計簿アプリで家計を棚卸し | 変動費より固定費の削減が効く |
②置き場所変更 | 生活防衛費を除き、金利のある場所へ移動 | インフレ連動・非課税枠等を利用 |
③仕組化 | 先取り貯蓄と自動積立設定 | ”ほったらかし”でも複利が働く |
6.まとめ――お金を“眠らせない“決断”
鮭とバターの値札が教えてくれるのは、放っておくと「現金の価値は目減りする」というシンプルな事実です。
子どもの将来を守る最大の方法は、親世代がいま行動すること。金利ゼロの場所にお金を停滞させるか、インフレを味方に変えるか――その選択が10年後、家計の安心度を大きく分けます。
まずは今日、あなたの預金の“居場所”を点検してみましょう。もし「どう動けばいいか分からない…」と感じたら、ファイナンシャルプランナーに相談するのも立派な第一歩です。
インフレに“負けない家計づくり”、一緒に始めてみませんか?