
こんにちは、ファイナンシャルプランナーの橋本です。
2025年は、スーパーのレジで「え、また上がってる…」と感じる瞬間が増えた1年だったのではないでしょうか。食費・光熱費・保険料・旅行費など、家計の“じわじわ出費”が積み重なると、貯蓄や教育費の計画まで不安になりがちです。
この記事では「2025年のお金に関わる出来事」を、物価高と税金(制度変更)を軸に整理し、身の回りの変化を振り返りながら「これから起こりうる状況」を考えるヒントをお届けします。
――――――――――――――――――――――――――――――――
<目次>
1.2025年は「物価高」が続いた—家計への影響を数字で確認
2.2025年の「税金・制度」トピック—子育て世帯が押さえるポイント
3.2026年以降に備える—物価×税×金利時代の家計チェックリスト
4.まとめ
――――――――――――――――――――――――――――――――
1.2025年は「物価高」が続いた—家計への影響を数字で確認
まず押さえたいのは、2025年も物価が高止まりしやすい環境だったことです。総務省統計局の全国CPIでは、2025年10月の総合指数が前年同月比で+3.0%上昇し、生鮮食品を除く指数(いわゆるコア)も+3.0%上昇でした。
また、同じ資料には「電気・ガス料金負担軽減支援事業」の押し下げ効果(試算)が示されており、支援の有無で体感負担が変わりやすいことも読み取れます。
体感に直結しやすいのが、次のような“生活密着”の値上がりです。
○食費:食料品の上昇が家計を押し上げる局面が続きました(統計・分析でも食料品の影響が言及)。
○サービス価格:宿泊料などの上昇が目立つ月もあり、家族旅行・帰省などのコストに跳ね返りやすい状況でした。
○保険料:自動車保険料の上昇がCPIの押し上げ要因として取り上げられています。
ここでの振り返りポイントはシンプルで、「何が増えたか」ではなく「わが家の支出で増えたものは何か」を特定すること。
たとえば同じ物価高でも、
・外食が多い家庭は「食費」より「外食・嗜好」の上振れが大きい
・車移動が多い家庭は「保険料」「燃料」などの影響が出やすい
・旅行が多い家庭は「宿泊」「交通」の伸びが効きやすい
と、影響の出方が変わります。
2.2025年の「税金・制度」トピック—子育て世帯が押さえるポイント
物価高の年ほど、“手取り”を左右する税金や制度変更は重要です。2025年に関連するトピックとして、子育て世帯の目線で押さえたいのは主に次の3つです(※適用条件・対象は個別に異なるため、最終確認は公式情報や専門家へ)。
①子育て世帯向けの住宅関連減税(住宅ローン控除など)の扱い
こども家庭庁の「令和7年度税制改正の概要」では、子育て世帯等を対象とする住宅ローン控除の拡充や住宅リフォーム税制について、時限的な上乗せ措置を令和7年限りの措置として講ずる旨が示されています。
住宅ローン控除そのものの枠組みや期限の考え方は、国土交通省の解説でも確認できます。
・振り返りの視点:
「今年、住まいに関する大きな支出(購入・リフォーム)をした/する予定があるか」で、見直す優先度が変わります。
②生命保険料控除の“子育て上乗せ”(将来の見通しとして)
同じ資料では、生命保険料控除について、23歳未満の扶養親族がいる場合に上限額を上乗せする措置(令和8年分所得税での措置)が示されています。
2025年の総括としては「来年以降、家計の制度面がどう動くか」を押さえる材料になります。
③ふるさと納税:ポイント付与の禁止(2025年10月〜)
「節税(控除)」という意味で、家計で活用している方が多いのがふるさと納税です。2025年10月から、ポータルサイト等によるポイント付与が原則禁止となる制度改正が整理されています。 (クレジットカードの“通常ポイント”など扱いの整理も含め、利用方法の見直しが必要になります。)
・振り返りの視点:
「ポイント込みでお得にしていた」家庭ほど、2026年に向けて“お得の作り方”が変わる可能性があります。
3.2026年以降に備える—物価×税×金利時代の家計チェックリスト
2025年の振り返りを「来年に活かす」ために、最後は実務的なチェックリストに落とし込みます。
チェック1:値上げの“主犯”を1つだけ決めて対策する
物価高対策を全部やろうとすると続きません。
・食費が主犯 → 「買い方(まとめ買い/作り置き)」「固定化(定番メニュー)」
・光熱費が主犯 → 「契約・プランの棚卸し」「補助の有無で月次予算を変える」
・保険料が主犯 → 「補償の重複」「免責・特約の整理」
チェック2:税金・制度は「わが家が使えるもの」だけ拾う
税制改正は話題が多い一方で、使えない情報を追うほど疲れます。
・住まいの予定がある → 住宅関連減税の要件・期限を確認
・ふるさと納税をしている → 2025年10月以降の“やり方”を更新
チェック3:金利上昇の気配に、住宅ローンと貯蓄の置き場所を合わせる
2025年は金利の話題も家計に近づきました。日銀の政策金利が0.5%程度で推移してきたことや、追加利上げ観測が報じられています。
金利の影響は家庭ごとに異なるため、振り返りとしては次の整理が有効です。
・変動金利で住宅ローンがある:家計に「金利が上がった場合の予備費」を持てているか
・貯蓄中心:金利局面の変化で、預け先や目的別口座の分け方が合っているか
4.まとめ
2025年のお金に関わる出来事を振り返ると、家計に効いたのは大きく
①物価高(生活コストの上振れ)
②税金・制度の変更点(使える優遇・変わるルール)
③金利環境の変化
の3つでした。
年末にやるべきことは難しくありません。まずは「家計で一番増えた支出は何か」を1つ特定し、次に「わが家が使える制度だけ」を確認し、最後に「金利上昇でも崩れない予備費」を整えること。
今日、家計簿(または明細)を開いて、増えた項目トップ3を書き出すところから始めてみてください。