こんにちは!
『笑顔相続』ナビゲーターの橋本です。
52回目の今回は、自社株式の贈与税・相続税がゼロになる【事業承継税制の『特例措置』】について解説します。
∸―――――――――――――――――――――――――――――――
<目次>
- 『特例措置』
- まずは権利の確保
- 「猶予」か「免除」か
- まとめ
――――――――――――――――――――――――――――――――
1.『特例措置』
2018年から10年間限定で、中小企業が事業承継を円滑に行えるように、従来からあった事業承継税制の『特例措置』が設けられました。
従来からあった事業承継税制(一般措置)と比べて、全株式が対象になり、納税猶予割合も100%、雇用確保要件が緩和されたりと、使いやすくなり、メリットも大きくなりました。
2.まずは権利の確保
『特例措置』は、2027年12月31日までの時限措置になりますが、まずは2023年3月31日までに「特例承継計画書」を都道府県に提出する必要があります。
『特例措置』を検討されているのであれば、「特例承継計画書」の作成に早めに取り掛かり、権利の確保をすることが先決です。
3.「猶予」か「免除」か
自社株式を後継者へ渡した時に発生する贈与税・相続税を「猶予」して納税資金準備の時間を稼ぐか、または、後継者から更に次の後継者へ渡して「免除」で着地するか、ゴールを見据えて利用することが重要です。
『特例措置』を受け続けるためには、「継続届出書」を税務署に提出する必要があります。
提出のタイミングは、相続税または贈与税の申告期限後5年間は毎年、5年経過後は3年ごとになります。
「継続届出書」の提出を忘れてしまうと、猶予されている相続税の全額と利子税を納めることになりますので、注意してください。
4.まとめ
株価の算定や事業承継計画の策定が、後回しになっていて、十分な準備が出来ていないというのが中小企業の現状ではないでしょうか。
事業承継の準備が完全ではない状況下でのセフティネットとして、『特例措置』も選択できるようにしておくことも良いのではないかと思います。
急な相続が発生してしまったとしても、会社や家屋敷を失うことのないようにリスクヘッジしておくことが、経営者やその家族には必要ではないでしょうか。