こんにちは!
『笑顔相続』ナビゲーターの橋本です。
57回目の今回は、制度がスタートして1年【自筆証書遺言保管制度】について解説します。
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<目次>
- 『自筆証書遺言保管制度』
- 「財産目録」は自筆でなくてもOK
- 法的効力は保証されない
- まとめ
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1.『自筆証書遺言保管制度』
本人が自筆で作成した「自筆証書遺言」を法務局で管理・保管してもらう『自筆証書遺言保管制度』が、昨年7月からスタートしました。
これまでは、自宅の机や金庫などに保管するしかなく、紛失や破棄、隠匿、改ざんなどのリスクが常につきまとっていました。
この制度を利用することで、そのようなリスクを回避できます。
また、「死亡時通知」を希望しておけば、遺言を残した人の死亡が確認された時に、遺言書が保管されていることのお知らせが届くようにもできます。
2.「財産目録」は自筆でなくてもOK
「自筆証書遺言」は、遺言書や財産目録をすべて手書きで作成することが条件とされていましたが、2019年1月から「財産目録」に限っては、パソコンなどで作成したり、預金通帳のコピーや不動産登記事項証明書などを財産目録として添付することも可能となりました。
ただし、それぞれに署名と捺印することが必要ですので、ご注意ください。
3.法的効力は保証されない
「財産目録も作成しやすくなったし、保管制度を使えば安心!」と思ってしまう人もいらっしゃるかと思いますが...
法務局では、保管のための形式的なチェックがされるだけで、内容について相談にのってもらえるわけではありません。
遺言を作成した人の想いを保証してくれる制度ではないので、ルールに沿った遺言作成を自己責任ですることが大前提となります。
4.まとめ
遺言は、「自筆証書遺言」のほかに、公証人によって作成される「公正証書遺言」、内容を秘密にしたまま公証人に遺言の存在を証明してもらう「秘密証書遺言」があります。
「自筆証書遺言」は気軽に作成できる方法ではありますが、自分の意志で書いたのかなどということで争いになるケースも多くあります。
『自筆証書遺言保管制度』を利用する場合は、『争族』にしないためにも、弁護士等のプロからアドバイスをもらって、遺言作成したものを保管してもらうのが、よいのではないでしょうか。
【参考資料】自筆証書遺言保管制度―法務省