こんにちは!
『笑顔相続』ナビゲーターの橋本です。
13回目の今回は、法定相続人でない人にも財産を渡せる<遺贈>について解説します。
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<目次>
- 遺贈とは
- 『特定遺贈』と『包括遺贈』
- 『遺贈する』と『相続させる』の違い
- 紀州のドン・ファン
- まとめ
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1.遺贈とは
『遺贈』とは、遺言によって財産を無償で渡すことをいいます。
渡す相手に制限はありません。また、法人や団体に譲ることも可能です。
2.『特定遺贈』と『包括遺贈』
遺贈には、『特定遺贈』と『包括遺贈』の2種類があります。
「長男にはAの土地」、「次男には〇〇株式会社の株式100株」といったように具体的に誰に何を渡すかを遺言で指定することを『特定遺贈』といいます。
「妻に全財産を渡す」、「長女に全財産の1/3を渡す」といったようにどの財産を渡すか特定せずに割合で指定することを『包括遺贈』といいます。
3.『遺贈する』と『相続させる』の違い
遺贈は、通常、法定相続人以外の人に財産を渡すときに活用します。
その場合、遺言には、「〇〇に遺贈する」と記します。
一方で、法定相続人へ遺言を活用して財産を渡す場合は、「〇〇に相続させる」と記すのが一般的で、遺産分割の方法を設定したことになります。
『相続させる』となっている場合、例えば、指定された相続人が単独で土地の移転登記ができたり、農地であれば農業委員会の許可は不要になったりします。
『遺贈する』ではなく『相続させる』とすることにより、相続が発生した際の手続きをスムーズに進めることができます。
4.紀州のドン・ファン
2018年5月に急性覚せい剤中毒で、13億5,000万円の財産を残して亡くなった資産家のニュースを憶えてますでしょうか。
亡くなった野崎さんは、遺言で「全財産を田辺市に寄付する」とされていました。
相続人は、妻と兄弟4人ですが、遺言があったために何も受け取ることができない兄弟が、遺言の無効を訴えて裁判を起こしています。
妻は、約5億円の遺留分を請求すればその分は受け取れますが、兄弟姉妹は、遺留分を請求することができませんので、このままでは何も受け取れないので、遺言がなかったことにしたいようですね.
このケースから学ぶべき1番のポイントは、余計なトラブルが起きないように、遺言が有効なものとして機能するように要件を整えて準備するということです。
事件も財産の行方も早く解決することを願うばかりです。
5.まとめ
遺言を活用することにより、法定相続人以外の人にも財産を渡すことができる『遺贈』ですが、遺留分の問題など法定相続人への配慮も忘れずにしてください。
「笑顔相続」にできるよう、今後も情報発信していきます。
空いた時間で知識を増やし、できることから取り組んで行きましょう!
次回は、あなたは準備できていますか
<3つの相続対策>について解説します。