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「まさか私が…」と思う前に。乳がんとお金、そして最新治療の話

こんにちは、ファイナンシャルプランナーの橋本です。

「まさか自分が…」
乳がんの告知を受けた方の多くが、最初に口にする言葉です。
30代・40代は、仕事や家事、子育てに追われ、自分のことを後回しにしがちな世代。でも、この世代こそ、乳がんのリスクが上がるタイミングでもあります。

このブログでは、もしものときに慌てないために、乳がんとお金、そして情報の大切さを一緒に考えていきたいと思います。

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<目次>
1.増えている乳がんと子育て世代
2.乳がん検診は「怖いもの」ではなく「安心のためのもの」
3.治療法は日々進化している ― ラジオ波焼灼療法という選択肢
4.もし乳がんと診断されたら、まず考えてほしい3つのこと
5.治療にかかるお金と、備えの大切さ
6.情報があなたと家族を守る
7.おわりに ― お金と情報は“希望”をつなぐ力
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1.増えている乳がんと子育て世代

日本では、乳がんは女性が最もかかりやすいがん(9人に1人)になっています。
厚生労働省のデータによると、乳がんにかかる人の数は年々増加しており、特に40代から50代にかけての発症が多いとされています。

つまり、子どもがまだ小学生・中学生のころに発症する可能性もあるということ。
家庭の中心であるお母さんが病気になると、生活全体に大きな影響が出てしまいます。だからこそ、「早く見つけること」「冷静に対応できること」がとても大切です。

2.乳がん検診は「怖いもの」ではなく「安心のためのもの」

乳がん検診というと、「痛そう」「怖い」「自分は大丈夫」と感じる方も多いですが、実際には早期発見で治る可能性が高いがんです。

乳がんは、ステージが進む前に見つければ、体への負担も少なく、仕事や家庭生活への影響を抑えることができます。
特に、家族で乳がんや卵巣がんの経験者がいて、遺伝性乳がんの心配がある方は、検診推奨年齢の40歳を待たずに、早めに乳腺専門医に相談することをお勧めします。

検診は「不安を見つけるため」ではなく、「安心を得るため」のもの。
未来の自分と家族のために、勇気をもって一歩踏み出してみましょう。

3.治療法は日々進化している ― ラジオ波焼灼療法という選択肢

乳がんの治療というと、「手術」「抗がん剤」「放射線」といった方法を思い浮かべる方が多いと思います。
でも、近年では体への負担が少ない新しい治療法も登場しています。

そのひとつが「ラジオ波焼灼療法(RFA)」です。
これは、がんに細い針のような電極を刺し、高周波の熱でがん細胞を焼き切る治療法です。

💡ラジオ波焼灼療法の特徴

・メスを使わないため、体への負担が少ない

・手術痕がほとんど残らない

・入院期間が短く、日常生活に早く戻れる

・局所麻酔でできる場合もあり、全身麻酔が難しい人にも適用できる

ただし、すべての乳がんに使えるわけではありません。
腫瘍の大きさや位置、進行度などによっては適さない場合もあります。
治療の選択肢として知っておくことで、医師との相談の幅が広がります。

4.もし乳がんと診断されたら、まず考てほしい3つのこと

〇焦らずに情報を整理すること
がんと聞くとパニックになりますが、すぐに治療を始める必要がない場合もあります。
まずは診断書を整理し、セカンドオピニオンを検討しても良いでしょう。

〇治療と生活のバランスを考えること
子育てや仕事がある中で、治療を続けるのは簡単ではありません。
通院のしやすさや副作用、仕事への影響も含めて「無理のない選択」を。

〇お金の見通しを立てること
医療費や交通費、休職中の生活費など、想像以上に出費が増えます。
治療費そのものよりも「収入が減ること」が大きな負担になるケースもあります。

5.治療にかかるお金と、備えの大切さ

乳がんの治療費は、保険診療であっても数十万円になることがあります。

2024年から、ラジオ波焼灼療法は保険適用となりましたが、対象となるのは1.5㎝以下の早期乳がんです。
それゆえ、早期発見のためのがん検診や精密検査が重要になります。
また、実施している施設は全国で131施設(2025年10月22日時点)と限られています。

さらに、自由診療や先進医療を選ぶ場合は、全額自己負担になることもあります。
そのために、医療保険やがん保険で「先進医療特約」等で備えておくことが重要です。

また、治療中は通院や検査が続くため、交通費や子どもの預かり費用など、細かい出費も重なります。
こうした「見えにくい出費」こそ、事前に準備しておくと安心です。

家計の見直しをするときは、

・医療保険の内容を確認する

・緊急時に使える貯蓄を確保する

・所得補償保険(休職時の収入減をカバーする保険)を検討する

この3点を意識しておくと良いでしょう。

6.情報があなたと家族を守る

がんの治療は、「情報を知っている人」が有利になります。
治療法、病院の選び方、保険の活用方法、助成金や公的支援制度――
知っているかどうかで、選択肢の幅が大きく変わります。

インターネットやSNSにはさまざまな情報がありますが、偏った内容や古い情報も少なくありません。
信頼できる情報源(公的機関、医療機関、FPなど)を持つことが大切です。

7.おわりに ― お金と情報は“希望”をつなぐ力

乳がんは、誰にでも起こりうる病気です。
けれども、「知っている」「備えている」ことで未来は変えられます。

治療費や生活費の不安を減らすための「お金の備え」。
自分に合った治療を選ぶための「情報の備え」。

この2つがあれば、もしものときも「私は大丈夫」と前を向けます。
家族の笑顔を守るために、今日から少しずつ準備を始めてみませんか。

<ラジオ波焼灼術(RFA) 日本乳癌学会承認施設一覧|一般社団法人日本乳癌学会HPより>

https://www.jbcs.gr.jp/uploads/files/shikaku%20elearning/RFA/rfa%20list_2025.10.22.pdf

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