
こんにちは、ファイナンシャルプランナーの橋本です。
企業型確定拠出年金(DC)とは、会社が導入する年金制度の一つです。働く私たちが将来のためにコツコツと積み立てる仕組みで、毎月の掛金は給与から差し引かれ、運用商品を自分で選んで増やしていきます。
今回は、特に30代から40代のお子さんがいるご家庭の皆さまに向け、専門用語をできるだけ避けながら、企業型DCの魅力と個人型(iDeCo)との違いをわかりやすく解説します。
――――――――――――――――――――――――――――――――
<目次>
1.企業型DCの仕組みと特徴
2.個人型iDeCoとの大きな違い
3.家族信託のメリット・注意点
4.家族信託を始める前に押さえたいポイント
5.ケーススタディ:信託で叶えた“安心”の例
6.まとめ:家族信託は選択肢のひとつ、事前準備が大切
――――――――――――――――――――――――――――――――
1.企業型DCの仕組みと特徴
企業型DCは、会社が掛金の一部または全額を負担してくれるケースが多いのが特徴です。掛金の上限は法律で決まっており、会社が負担する分とあなたが負担する分を合わせて最大で月額55,000円(※)まで積み立てられます。会社のサポートがあるため、自分だけで貯めるよりも効率よくお金を増やせる可能性があります。
(※上限額は業種や他の退職金制度との兼ね合いで変わる場合があります)
また、掛金が給与から差し引かれるため、手続きの手間が少なく、気づかないうちに積み立てが進んでいく点もメリットです。忙しい毎日を送る子育て世代にとって、自動で準備が進む仕組みは大変心強いでしょう。
2.個人型iDeCoとの大きな違い
同じ「確定拠出年金」という名前でも、個人型(iDeCo)と企業型ではいくつかの違いがあります。
項目 | 企業型DC | 個人型iDeCo |
加入対象者 | 会社に雇用されている社員 | 誰でも(自営業、会社員、専業主婦など) |
掛金負担 | 会社が一部負担+個人負担 | 全額自己負担 |
掛金の上限 | 最大55,000円/月(会社負担分含む) | 最大68,000円/月(職業による) |
手続き | 会社がまとめて手続き | 自分で申込み手続き |
退職時の扱い | 退職金制度と一本化の場合も | 退職などに関係なく続けられる |
企業型は「会社と一緒に支える仕組み」、個人型は「自分で積み立てる仕組み」とイメージするとわかりやすいです。会社員であれば、まず企業型DCを活用し、足りない部分をiDeCoで補うという使い方もできます。
3.運用商品を選ぶポイント
企業型DCでは、あらかじめ会社がいくつかの商品を用意しています。株式や債券、バランス型など種類はさまざまですが、選び方のコツは以下のとおりです。
① **ゴールに合わせる**
あと何年で退職かを考えて商品を選びます。短期間なら安定型、長期間なら少し値動きがある投資型も選択肢です。
② **リスクのとり方を分散する**
もし運用がうまくいかなかったときのために、複数の商品に分けることでリスクを抑えられます。「預金だけ」「株式だけ」に偏らないようにしましょう。
③ **定期的に見直す**
市場の状況やライフプランの変化に合わせて、年に一度はポートフォリオをチェック。必要であれば配分を変更すると安心です。
専門的な用語に不安がある場合は、販売会社や会社の担当者に相談してみてください。難しそうに見えても、一つひとつ聞いていくと理解が深まります。
4.子育て世代だからこそ取り入れたい理由
子育て世代は教育費や住宅ローン、日々の生活費など、お金の出入りが忙しい時期です。その一方で、将来の年金だけに頼るのは心もとない状況と言えます。企業型DCを使うメリットは、
* **会社の協力でお得に積み立てられる**
* **掛金が自動で差し引かれるので手間がかからない**
* **長期運用でリターンを期待できる**
といった点です。自分で財布から出すわけではないからこそ、「つい積み立て忘れていた」といった心配も少なくなります。
5.上手に取り入れて将来に備えよう
企業型DCは、家計の支出を圧迫せず、将来への準備を進める強い味方です。子育てで忙しい今だからこそ、会社の制度を活用して、手間なくお金を育てていきましょう。そして、もし足りない部分があれば、個人型iDeCoで補うと、より安心感が高まります。
価値あるものを上手に取り入れて、家計に無理なく、将来に備える──それが大切です。無理のない範囲で始めてみると、きっと「やってよかった」と感じられるはずです。