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保険の「転換制度」ってなに?知らないと損するかもしれない仕組みを分かりやすく解説

こんばんは、ファイナンシャルプランナーの橋本です。

「そろそろ保険の見直しをしませんか?」「新しいプランに切り替えられますよ」
こんな言葉を保険会社や営業担当者から聞いたことはありませんか?

そのときに使われることがある仕組みのひとつが「転換制度」です。聞き慣れない言葉ですが、一見すると「お得に保険を切り替えられる便利な仕組み」に思えます。けれども、仕組みをよく理解しないまま契約してしまうと、後になって「こんなはずじゃなかった」と後悔するケースも少なくありません。

今回は、この転換制度について分かりやすく解説していきます。専門用語はできるだけ避けて、日常のイメージに置きかえながらお伝えします。

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<目次>

1.転換制度とは?

2.なぜ使われてきたの?

3.転換制度のメリット

4.転換制度の注意点

5.いまはほとんどの保険会社で扱っていない

6.まとめ

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1.転換制度とは?

転換制度とは、ざっくり言うと「いま加入している保険を下取りに出して、新しい保険に入り直す仕組み」です。

例えばこんな流れです。

  • いままで払ってきた保険をいったん解約する
  • その保険で積み上がっていた「解約返戻金」「配当金」というお金を、新しい保険の頭金としてあてる
  • その分、新しい保険にスムーズに切り替えられる

家電量販店で古い冷蔵庫を下取りに出して、新しい冷蔵庫を買うようなイメージを持つとわかりやすいと思います。

2.なぜ使われてきたの?

少し前の時代は、金利が今よりずっと高い時期がありました。その頃の保険は「利率」が良く、長く続ければ続けるほどお金が増える、いわゆる「貯まる保険」だったのです。

ところが、時代が変わり金利が低くなり、昔に比べると新しい保険は「貯まる力」が弱くなってしまいました。そんな中で保険会社は、新しい商品を販売するために「転換制度」を用い営業担当者も「最新の保険に切り替えましょう」と勧めやすくしていたという経緯もあります。

3.転換制度のメリット

もちろん、転換制度にもいくつかのメリットはありました。

  • 保障内容が最新になる
    医療保険やがん保険などは時代とともに保障範囲が広がりました。新しい保険に切り替えることで、より現代的な保障を受けられるようになります。
  • 手続きがシンプル
    契約の流れが簡単で、手間が少ない点もメリットでした。

4.転換制度の注意点

一方で、注意しなければいけない点の方が多いのも事実です。

①積み立てがリセットされる

長年積み上げてきた「解約返戻金」や「配当金」を頭金に使ってしまうため、またゼロからスタートになることがあります。その結果、将来の受け取り額が減ってしまうこともあります。

②保険料が高くなることが多い

年齢が上がると、同じような保障内容でも保険料は高くなります。「前より良い保障がつきました」と言われても、支払いが増えていることも珍しくありません。

③将来のお金が減る可能性

昔の保険は金利が高かったため、長く続ければ大きなリターンが期待できました。しかし新しい低金利の保険に切り替えることで、将来の貯蓄性が大きく下がることもあります。

5.いまはほとんどの保険会社で扱っていない

実はこの「転換制度」、今では多くの保険会社は扱っていません。理由はとてもシンプルで、制度が分かりにくく、契約者にとって不利になることが多かったからです。説明不足のまま契約してしまい、後から「損をした」と感じる人が少なくなかったのです。

現在は「新しい契約は新しい契約として申し込む」という形が一般的です。そのため「転換」という言葉が出てきたときは、まずは冷静に内容を確認してみることが大切です。

6.まとめ

転換制度は「新しい保険にスムーズに入り直せる仕組み」として用意されましたが、実際には複雑で分かりにくく、利用者を困惑させるものでした。

保険は人生の安心を守るためのものであるはずなのに、複雑すぎて理解できない仕組みは本来不要だと思います。

保険の見直しをするときに大切なのは「制度の名前」ではなく、「今の家族に本当に必要な保障と、将来のお金のバランスが取れているかどうか」です。仕組みを理解しないまま契約してしまうと、気づかないうちに損をしてしまう可能性があります。

だからこそ、わからないことは遠慮なく専門家に相談してみてください。そして複数のプランを比べ、自分が納得できるかどうかを基準に判断してください。 保険は家族の未来を守る大切な道具です。仕組みを正しく理解して、後悔のない選択をしていただければと思います。

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