こんにちは!
ファイナンシャルプランナーの橋本です。
163回目の今回は、【特別縁故者制度:あなたは相続人になれますか?】ついてまとめました。
昨今、少子化とともに独居者も増える傾向にあります。
それに伴い、亡くなった人に相続人がおらず、遺言もないということが多くなることが予測されます。
こうしたケースでは、相続財産はどうなるのでしょうか?
――――――――――――――――――――――――――――――――
<目次>
1. 特別縁故者制度とは?
2. 特別縁故者になるための3つの条件
3. 認められないケースも多数
4. まとめ
――――――――――――――――――――――――――――――――
1.特別縁故者制度とは?
あなたは、こんな経験はありませんか?
・長年、親しい友人として故人と親交を深めていた
・内縁の夫婦として、何十年も一緒に暮らしてきた
・血の繋がらない家族のように、故人の面倒を見てきた
もし、上記のような経験をお持ちであれば、特別縁故者制度について知っておくことが重要です。
特別縁故者制度とは、被相続人に法定相続人がいない場合に、一定の条件を満たした親しい関係にあった人が、遺産の一部または全部を相続することができる制度です。
法定相続人とは、民法で定められた相続人です。具体的には、配偶者、子供、親、兄弟姉妹などが該当します。
ちなみに、法定相続人がいない場合、相続財産は国のものになります。
2.特別縁故者になるための3つの条件
特別縁故者として認められるには、以下の3つのいずれかの条件に当てはまる必要があります。
〇被相続人と生計を同じとしていた者
〇被相続人の療養看護に努めた者
〇その他被相続人と特別の縁故があった者
これらの条件は、どれも簡単ではありません。 特に、「生計を同じくしていた」や「特別の縁故があった」といった抽象的な表現は、裁判所の判断基準も厳格です。
上記3つの条件をすべて満たしていても、必ずしも特別縁故者として認められるわけではありません。
3. 認められないケースも多数
特別縁故者制度は、被相続人との親密な関係が認められれば遺産を受け取れる制度ですが、以下のケースでは、たとえ3つの条件を満たしていても、認められない可能性が高いです。
Ⅰ 短期間の同居や介護のみでは不十分
短期間の同居や介護では、「生計を同じくしていた」や「療養看護に努めた」と認められない可能性が高いです。
Ⅱ 血縁関係がない場合はハードルが高い
血縁関係がない場合は、「特別の縁故があった」と認められるハードルが非常に高くなります。
Ⅲ 法定相続人がいる場合は認められない
法定相続人がいる場合は、法定相続人が優先的に遺産を相続します。
Ⅳ その他、認められない可能性が高いケース
・遺産を不法に奪取しようとした
・関係性が希薄だった
・介護報酬を受け取っていた
特別縁故者として認められるかどうかは、個々の事情によって大きく異なるため、事前に弁護士に相談することをおすすめします。
上記以外にも、特別縁故者になるための注意点は多く存在します。
4. まとめ
特別縁故者は個人だけでなく、法人であっても亡くなった人との関係が深ければ該当するケースもあります。
ただ、法定相続人の不在が確認されるまでに少なくとも半年以上、実際に特別縁故者と認められるのは相当先になるケースを想定しておく必要があります。
特に、「内縁の妻に財産をあげたい」や「事実婚の相手に相続させたい」など、相続権がない人に財産を渡したい場合は、遺言を準備しておくことが必須です。